新現代を斬る・斜陽篇

政治と宗教のFC2版「余震と雑感」専門の雑文ブログです

今年もよろしくね。

  ウイスキーの広告で来年もよろしくね。と西田敏行さんが言っていたので影武者徳川家康を観てしまいました。ざっと観て①茜の効果②眼の演技③大河の歴史ロマン④黄門さまの徳川太平記⑤必殺テイスト(詳述)⑥影の軍団の忍者アクション⑦配役の妙味(詳述)というのがとりあえずのポイントです。

  これは劇場版撮りおろしと言ってもいいくらいのクオリティの高さです。さらに大河ドラマや最近の時代劇は画面が明るすぎてそれが雰囲気を損ねているように感じますがこの作品はそれがない。照明効果を中心に非常に観易く作ってあるので長時間観ても疲れませんでした。さらに話が単純で面白いので初めは「ながら見」しながらもいつのまにか引き込まれてきちんと観てる状態に。さらに西田さんの主人公をテレビ的にしてありますね。テレ東の新春ワイド時代劇は堅い、主人公も周囲も事件も真面目でシリアスなんです。今年はそうではなかったのでこれも見易かったですね。西田さんの「今夜から!」雅俊さんの「大吉」には爆笑ですw 普通新春のオールスター時代劇だと顔見世興行でドラマとしてはいまいちだったりするものですが、ここの出演陣はほぼ全員長年実績を積み重ねている実力派ばかりで、俳優を見せる!といううるささがなかったです。及川さんの熱演のように演技・役に入れ込んでいる方ばかりなのでスマートに伝わる出来栄えとなりました。

  松竹京都映画の製作ですが、六文銭・屋敷内の大殺陣・絶体絶命で大炎上で思うのは、「あー必殺劇場版やってよかったなー」ということでした。やっぱりレギュラーシリーズ・必殺スペシャル、そして劇場版とありますが正直劇場版の完成度やまとまりは低いと言わざるを得ないんですw 一番まとまりがあるのが春雪仕掛針で、主水の劇場版6作中ではⅢかⅠで評価が別れるのではないでしょうか。いわゆる「必殺らしさ」から飛び出そうとした作品が多く、私は「必殺らしい」「主水らしい」集大成としての劇場版を観たかったものです。やはりこの上映中の時期は、ソフトな必殺が好きな人も大勢いたと思うのでそれは第1作くらいでしょうか。それでもドラマのあのシーン、スペシャルのあの話というのは所詮マニアな会話になりがちなんですよね。これが劇場版になるとスケールの大きさが印象に残るので、必殺主水シリーズの枠を広げたと思うんです。劇場版ならではの画面効果・音響効果を考案せざるを得なかったのでそのノウハウをテレビにフィードバックしてみたらこんなに凄いことになった、という感じがしています。とにかくCMの出演タレントに至るまで大満足の、ノンストップで飽きない5時間でした。テレ東さんはいつもながら、スタッフ・キャストの皆さん平和と家族をテーマにした素晴らしい作品をありがとうございました。高橋英樹さんは僧侶姿の侍で新シリーズはいかがですか? 柴俊夫さんも是非時代劇を!

  (追記)監督さんは謙さんの独眼流政宗の翌年の、あの大河「武田信玄」の監督さんなんですねー、演出家の方はNHKの所属ではないんですね・・・このオープニング映像を動画サイトで観て、このドラマの合戦の赤い旗の色が映えて、見覚えがある理由が解りました。貴一さんの武田信玄はキャストが私好みの俳優さんばかりクレジットされたように思います。「今宵はここまでに、いたしとうござりまする・・・」流行りましたよね。でトメにドーンと山本勘助役のもうひとりの主役がクレジットされるわけですが、秀忠役の俳優さんと対峙して面白いですねw 同様に「おもん」さんと「おまん」さんが・・・なんてどんどんマニアックになっていくから視聴率が7%に止まっちゃったのかも知れないですけどw でも殺陣・人情・謀略・絆といった時代劇の醍醐味は充分伝わり、好感度のアツさは間違いないと思います。実家でごちそうさんもチラチラ眺めましたが、謙さんの「晴れのちカミナリ」そして小林薫さんの「イキのいい奴」を意識させた時点で高視聴率は当然です! 作り手と視聴者がともに往年の名作の感動を共有して新作に挑んだ見本のような2作品です。さらに西軍武将の柄本時生さんが檀れいさんの新番組・福家警部補に出演、こちらも評価は上々のようです。角瓶から金麦へとつながりましたかw