新現代を斬る・斜陽篇

政治と宗教のFC2版「余震と雑感」専門の雑文ブログです

受賞は当然、プレイブック!

シャンテでプレイブック観て参りました(ネタバレ含みます)、まず受賞したジェニファー・ローレンス、彼女は1990年生まれの筈ですがあの瞑い眼の色は凄い! 何と「あの日欲望の大地で」の放火魔のお姉ちゃんなのですね、この映画の彼女の境遇をブラッドリー・クーパーに移し変え、リトル・チルドレンも含めて建設的に持って行っているわけです。ゴッドファーザーやエニイギブンサンデーの要素も引き継いでいるのも嬉しいところw 彼女の受賞に賛否両論ありますが、私は最初から最後までティファニーに引き込まれました。全面的に彼女の意見に共感ですw ただ劇場内は中高年女性のお客さんも多く、主役の2人よりもデニーロ夫妻の親心の方に感情移入された方も多いみたいですね。ラストの恋愛成就では会場内にお通夜のようにすすり泣きが漏れました。欲望の大地でもそうですが、かつての日本人女性の抑えた感情に訴えるものがあるのかも知れません。私個人も小比類巻かほるさんの曲を聴いたり、阪神タイガースの試合を観に行ったりしてしばし憂世を忘れるわけですが、大義名分を取り払った庶民感覚を豪華キャストで描いているところがいいですね。愛情一杯なのに大博打をしたりいざ本番の直前にヤケ酒をあおったり・・・矛盾と理想がごった煮となったおかしくも切ない、そして愛すべき等身大の我々の姿がそこにあります。日常的なやりとりがリアルで、ここはトラック野郎に通ずる視点だと思いますが、こういう映画は私には充分に面白く感ずるのです。難をいえば前半の精神病という設定と、ラストの洗練された恋愛物の断続性ですが、この際そんなことは言いっこなし、エロいダンスの展開に手に汗握りました。やはりこの作品はジェニファー・ローレンスの背負った孤高とその愛の出口で、悩みを抱えるも気のいい仲間に囲まれているブラッドリー・クーパーと対照的です。勿論監督・音楽含めてスタッフ・キャストには大々感謝、この映画もいいか悪いかよりまず「大好き!」が先に来る素晴らしい傑作であることに疑いの余地はありません。以前バイトした居酒屋のビルからガイアが撤退してauとジョナになっていました・・・月日の経つのは早いもの。excelsior、コーヒー屋さんの店名はそういう意味だったのですね、ライトなタッチですが感動はずしりと確かな重量級、必見の作品です!